2013年10月08日

他者のための死

先日、横浜線の踏切りで立ち往生していた老人を助けるために、
40歳の女性がかわりに電車に轢かれて亡くなってしまった。
その事に政府は褒賞する事になった。
その褒賞について不満がある訳ではないが、彼女の命がもったいなく感じて、
そんな賞だけでは、なんかもの足りない気分がした。
戦後我々の受けた教育だと、人のために死ぬのは犬死であり、
馬鹿者がする事だという気分を植え込まれてきた。
だから大戦中の若いみそらに特攻隊を志願して大空に散った英霊を、
ヒロポンでらりって勢いで自殺した人間の様に言われたし、そうも思っていた。
しかし、硫黄島などで玉砕した兵士は、普通の市民で、
自分達に勝ち目ののない事を百も承知だった人たちが、降参をせず
日本国内の爆撃で女性や子供、年寄りが死ぬのを一日伸ばすために命を捨てた。
自分のためでなく他者のために命を捨てて行った人たちをちゃんと評価してこなかった、
そんな何十年を過ごした日本人が、東北の震災などで他者のために命を捨てた、
多くの人たちにより目が覚め、今回のこの事で、ちゃんとした人の姿を見せられた。
この国も正気になって来た。
反省すべきは、亡くなった女性が助けた老人から我々の世代の年寄りなのだ。
日本人が育ててきた武士道の本質こそ、他者に対しての慈悲の思いだ。
亡くなった女性に対して、心から冥福をお祈り申し上げます。



Posted by 昔のシステムエンジニア at 14:33│Comments(0)日記
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