2015年02月19日

日本のモノづくり復活

パナソニックやシャープそして日産なども、
海外に出ていた工場を日本に戻すという。
基本的には結構な事だ。
80円というとてつもない円高の中で輸出企業が成り立たなくなった以上、
海外に出ていく事は、仕方なかったかも知れない。
しかし、戻って来たからと言って、
直ぐ日本のモノづくりが復活する訳ではない。
リストラされた何十万人の職が復帰する訳でもないく、
誰でもすぐ戦力になる訳ではない。
技術者や熟練工を育てる時間や手間、そしてなにより、
経営陣がリストラした従業員との信頼関係が築けるかという問題だ。
リストラされた人の多くは、家族を持ち、家のローンも持っていた。
リストラされた事により塗炭の苦しみを味わった人や、その家族にしてみれば、
はいそうですか、でもないだろう。
一度失った信頼を取り戻す決意が経営者には必要になるだろう。
特に中小企業は、それでなくとも来てくれる人は少ないのに、
いい気にないなって雇ってやっている気分でいると、
裸の王様になりかねない。
かの松下幸之助が大事業家になったターニングポイントがある。
それは昭和恐慌の時、周りの反対を抑えて、
200人の従業員の一人の首を切らなかったからである。
その時、幸之助が言ったのは、
これだけの熟練者を育てるにはどれだけじかんが掛かる事か、
景気が回復した時に育てるのでは遅い、とっても間に合わないと、そう言った。
そして昭和恐慌が終わる頃には、500人の会社に、
その後の10年で1万人の企業になっていった。
パナソニックは別企業になった様だが、中小企業には大いに参考になる。
4半期で株主に評価される訳でなし、活かすも殺すも自分次第。
つまり正念場、少し遅れでも頑張る時。  


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2014年03月01日

デフレマインド

今多くの中小企業では、デフレマインドとの戦いが繰り広げられている。
そのデフレマインドとは、商品の価格は絶対上がらない、
もし値上げ交渉したら二度と仕事が貰えなくなる、というものだ。
アベノミクスでデフレ脱却を意図しても、消費税増税という冷水を被せ、
これでもかという感じで、中小企業をいじめ倒している。
という風に中小企業には見える。
多くの政治家は、中小企業が味わっていいるデフレの恐怖がいかに恐ろしいか
理解していない。
昨日まであった仕事が、突然なくなり仕事を貰いに行くと中国と同じ価格でやれという。
品質が違うと言っても、大した差では無いと言い、
他の会社はそれでいいと言っていると言われ、今までの半額位をのまされる。
結果、長年一緒に働いてくれた人達に減俸を頼み、仕事量を増やし頑張ってきた。
それでも益々仕事が減り、毎日仕事を探しまくってきた日々。
特にリーマンショック後は、散々に叩かれてボロボロになっているのだ。
ここまで冷えた中小企業の経営者に、投資をしろ、
人を雇え、新規事業を起こせと言っているのだ。
この国の中小企業の経営者は無限責任だ。
担保以上に保証人を取るなと国が言っていても、現実には保証協会などという
隠れ蓑を使い、担保と保証人をつける。
今中小企業の経営者は、この多くのプレッシャーを跳ね除けて、
より付加価値の高い仕事を作り出そうとしている。
今まで散々叩かれて来たデフレマインドとの戦いを行なっているのだ。
それに勝利した企業が生き残り、力なく敗れた企業は退場していく。
結局は経営者しだいだ。
頑張れ中小企業。  


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2014年01月30日

技術立国日本の再生

技術立国日本と言われていた日本がバブルがはじけて以降
グローバル化にさらされて、韓国・中国にそのトップの位置を奪われ、
韓国の下請けとなったり、中国に技術移転をして工場を作って来て、
いつの間にか技術立国の自信を失ってしまった。
円高のために日本のモノづくりは採算が合わなくなったのが、その理由だ。
そこから、およそ20年アベノミクスで円高が是正された時、
日本の円高の本当の理由は、アメリカ政府の施策や中国・韓国の円高操作が
あった事が白日にさらされる様になって来た。
それらは金融操作の類なので、日本の金融政策(日銀政策)が、まともであれば
すぐ化けの皮が剥がれた。
特に中国・韓国のやりかたは、金融操作以外に、
日本の技術を政治家を利用したり、金で買収したり、
時には完全に違法手段、スパイ活動で盗んだりした。
しかし、円高が是正され中国・韓国の正体を皆が知る様になり、
今技術立国日本の再生を多くの日本人が思っている。
しかし、そこにある大きな壁を覚悟しなければならない。
技術立国に帰り咲くには、何よりも技術者を育てなければならない。
多くの企業は技術者をリストラする事で、その企業の存続をした。
つまり会社と社員との信頼関係を壊してしまった。
日本の技術の強さの源は、この企業と労働者の信頼関係だったのだ。
その信頼関係の構築こそ、日本の技術立国再生の最も重要な要素だと私は思う。
  


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2013年10月10日

ものづくりは生き残れるか

日本はものづくりのくにであり、特に多くの中小企業がそれをささえている。
だから日本が元気になるには、ものづくりが元気にならなければ本物にならない。
しかし、このものづくりが元気になるのは本当に難しい。
日本のものづくりの強みは「すりあわせ」にあるので、多くの熟練した工員たちが、
言葉を使わぬ暗黙知で高品質なものづくりをしてきた。
その結果、世界最高水準のものづくりが出来たのだ。
それは成功体験となっている。中小企業はモロそれだ。
つまり職人集団ばかりになっているのだ。
しかし、職人集団として生きていくのみを目指していたら、1割以下の企業しか生き残れないはずだ。
なぜなら工業技術というのは、日々進化しているからだ。
たとえば、いくら蒸気機関車が芸術的な人間の造形だとしても、スピードで競争したら、
リニア新幹線にかなう訳もない。
つまり職人は、人間国宝を目指すのであれば、それなりの生き方があるが、
ビジネスつまり経済的優位に立とう思うのなら、
日々進化している時代に合わせる努力なしにありえない。
では今の時代に必要不可欠な進化とはなんだろう。
まず標準化、マニュアル化、そしてIT化なのだ。
これらに取り組まない中小企業の売り上げが伸びる事は、まずありえない。
ただパソコンを持っていたりモバイル製品を持っていればよいのではない。
それを生産性向上や、技術継承などにちゃんと利用しているだろうか。
20年前、よく言った冗談がある。
中堅の製造業の会社がコンピュータを導入した事を自慢したので見に行ったら
会計専門機だった。
今もよくあるのは、IT化に成功しているという会社に行ったら、単にホームページを作っただけ
だった。
本当に時代に乗っているか、しっかり見極めないとITは玩具でしかない。
それが解る企業が生き残れる企業だ。  


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2013年09月04日

中小企業の未来

最近ブラック企業についての記事をみた。
ブラック企業の定義は、
①長時間労働
②多量採用大量解雇
③パワハラ・セクハラ
などが言われている。
しかし、ここ20年で成功した会社のでは、私が知る限り、ほぼすべてが該当する。
②については、中小企業は難しいが、①や③は中小企業でも当てはまる。
私が持っているデータでは、一人当たりの付加価値額、簡単に言うと、
一人当たり支払われる労働対価が、20年前の6割と言われている。
時間当たり稼げる金額が6割になったという事は、
労働時間を1,7倍に増やさなければ給与が払えないという事になる。
当然①と③は起こりうる問題ではないだろうか、いわんや中小企業でも、
という事になる。
そういう意味では、アベノミクスが成功したとしても
多くの中小企業の利益は増えないだろう。
理由は簡単だ。労働生産性を上げる努力不足の企業が多すぎるからだ。
付加価値が六割になったという事は、現場は労働生産性を2倍に上げねばならない。
そこで多くの企業が足踏みをする。
特に中小企業は、うちは目いっぱいだという。
確かに休みも少なく夜遅くまで仕事をしている。しかし、実稼働率で10%~20%だ。
そういうとダメな中小企業ほど、すぐ怒る。うちは70%はいっていると、
とんでもない話だ。トヨタが世界一生産性が高い会社だが、それでも50%だ。
いわんや、なんの努力もした形跡の無い企業は10%止まりなのだ。
こんな企業は、本気になれば直ぐ20%くらいに行くだろうが、社長が認めない。
そのくらいやってきたという。そのくせ毎年赤字を垂れ流している。
いくらアベノミクスで、経済を刺激しても、最後は企業努力である。
あの70%と言っていた企業の未来は、皆様のご想像にお任せする。
  


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2012年10月10日

日本型経営は大丈夫か

シャープがホンハイに飲み込まれそうだが、本当に良いのだろうか、
それはホンハイが海外の企業というだけでなく、その企業の風土だ
中国に子会社があり、100万人の人を使っているが、
劣悪な環境で暴動や自殺が多発しているという。
昔日本にも女工哀史といい悲しい時代があった。
今中国で従業員をその様に扱っている企業と、松下幸之助が言った様に
製品を作る前に人材を作っているというすばらしい文化のある日本企業が、
企業風土として合うのだろうか?
最もシャープが、その様な美点が無ければ仕方が無いが・・・
しかし、人を大切にする企業こそが天下を取る。
一時は負ける事があったとしても、・・そう信じるし、それでここ仕事としての本望だ。  


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2012年09月07日

中小企業のIT

ここのところブログが更新出来なかったが、お客さんの所に居たらネットがダウン、原因を探ったら
電話交換器を設置した会社、ネットワークを設置した会社、プロパイダー、パソコンを設置した会社、
そのすべての企業が口を揃えて電話口で「うちの問題でない」そして、
全ての企業が「機械の電源をオン・オフ」して下さい。」
だと、おかげで4時間かかって、交換器とルータが復旧、ネットが死んでいる事が判ったが、
それを設置した人間がいないので解りませんという。(その人がネットワークの管理者だが)
中小企業がインターネットを使うのに、こんな状況で困ったものだ。
電話機屋、事務器屋、プロパイダー、パソコン屋、皆んなバラバラに注文して、どこも責任を持たない
かと言って社内に詳しい人間がいないし、雇えない。
社長が勉強するしかないけど、あまり好きでない。という所。
たまたま居合わせてボランティアも毎日という訳にもいかないし、やっぱりちゃんとした保守契約を
結ぶしかないか。  


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2012年08月28日

企業の価値

先日ある中小企業経営者と話したのだが、企業は誰の為にあるのかという事だ。
例えば経営者が自分と家族の為にあると思っていたのなら、社員はそれを見抜き仕事に一生懸命
になれないだろう。
では、お客様の為にあると言ったら、クレーマーの客に振り回されて、えらい目に会う。
しかも「お客様は神様だ」などと言っていたら、社員も逃げ場がない。
かと言って、社員の都合だけ聞いていたなら会社は崩壊しかねない。
そうなると大企業みたいに株主のものなどと言ったら、儲からなくなるとリストラの嵐になる。
(人は変動費)勿論、経営者も含めて・・・
色々話しながら、「自分よし、相手良し、世間良し」の三方良しの精神の近江商人の哲学は、
現代でも十分通じる哲学であり、世界に誇れる日本の精神文化だとおもった。  


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2012年04月22日

製造業の6重苦

今の民主党政権になって、日本では製造業を追い出そう、もしくは潰そうとしている政策が続く。
母体となっている社会党系の国会議員が悪さをしてるのだろうが、
日教組や労働貴族達の自分の力で労働し金を稼ぐ努力をしない人達が歪んだ目で製造業と
その経営者を見ている所以だろう。
製造業の6重苦は、
1.円高
2.過剰な雇用規制
3.高い法人税
4.強い温室効果ガス規制
5.自由貿易協定の遅れ
6.電力供給の不安
このうち1.以外はすべて民主党政権になってからの問題だ。
製造業は自分達の知恵と努力で、この6重苦に立ち向かうのである。
机の上でエンピツなめなめではない。  


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2012年04月20日

価格は誰が決める

お客様は神様です。と、かの演歌歌手が言ったのだが、
実社会の中で、そのまま鵜呑みにしていると、酷い目に合う。
ちゃんとした企業が、下請け会社に発注する場合。
たとい値下げ要求をするにせよ、しっかりした裏付けを持っている。場合に於いては、
その値下げの為に飲める条件を指定して来るものである。
しかし、今の企業の多くが、ダメモト的な要求で、自身の利益の増大のみを目指すか、
営業力不足の為に、安値のみを武器に受注したかが理由なのだ。
それらには、しつかりした根拠などはない。経営が怠慢なだけだ。
その価格を下請け企業に埋め合わせさせる企業は、下請け企業も逃げてしまうか、
潰れてしまう。
だから、お客様は、神様などと言ってはおれない。
下請け会社とて自分の会社の適性価格を決まなければ存続出来ない。
存続可能利益が取れなければ、間違いなく倒産するのだ。
だから、今の企業はいかに下請け会社とて、どこの市場でどの企業に売り込めば、
存続可能利益が取れる価格で取引出来るかを、早期に発見する事こそ
企業が真っ先にしなければならない事となっている。
そして、その市場は必ずある。その企業が日本国内で30年以上に経営実績が
ある企業であるのなら・・・
見つけられなかければ、経営者は失格。  


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2012年04月19日

世界に狙われる日本の製造業

昨日のニュースで、愛知県にあるヤマザキマザックという工作機械メーカーから、
中国人の元従業員が設計情報を盗み出そうとして捕まったという記事があった。
証拠になったメールは、中国の高官とのやり取りがあり、どうも個人の「出来心」というより、
国ごとの産業スパイそのものの様だ。
それ自体は、今までの中国を見れば当然やっていいる事なので、さほど気にならなかった??が、
相手がヤマザキマザックという事に、日本の製造業が置かれている厳しい状況を思わざるを
得なかった。
それは、今をさること30年前、アメリカが日本企業を叩くために、スーパー301条をつくり、
悪名高い日米構造協議が出来たのは、当時、山崎鉄工所と言っていたヤマザキマザックの
技術の高さが原因だったからである。
日米構造協議は、いまではTPPという風に名前を変えているが、アメリカの一企業が自分の
企業利益のために、日本国を訴える基本形が出来たのである。
世界で最初に、NC工作機を作ったのは、アメリカのバーグマスター社であり、
その技術の高さは、製造業大国アメリカの誇りだった。
それに目をつけたアメリカ資本家がバーグマスター社を買収し、会計学しか知らない経営者に
経営を任せた。その結果、高い給与を取るベテランの技術者の首を切り、
安い給与で働く、移民の様な人達と製造現場を入れ替えてしまった。
つまりその時点で、製造業が一番大切にすべき、優秀な技術者を追い出してしまったのだ。
確かに短期的には利益は膨大になったが、結果当然の事として、会社は衰退する。
その時に、アメリカに安くて性能の良い工作機械を輸出したのが、山崎鉄工所で、
その結果、バーグマスター社の経営が悪化した原因は、日本企業が国とグルになって、
ダンピングして輸出攻勢をかけた事だとして、経営者がアメリカ政府にロビー活動を行なった。
かなりいいところまでいったが、時の大統領に却下された。
しかし、日本政府と山崎鉄工所は悪くもないのに、随分散財したらしい。
それに目を付けて、アメリカの労組が、今度は自動車で、そしてコンピュータでと、
日本のせいにして、圧力をかけてきた。その後の顛末は皆様ご存知だろう。
先日、ある中年の男性が、「昔日本はアメリカ企業のコピーをしていたのだから、中国が
日本のコピーをしても目くじら立てる事はない。」などとノー天気なことを言っていた。
一瞬キレそうなったが、そうゆう勉強不足の人達には、「潰えた野望、何故バーグマスター社
は、消えたか」副題が「本当の病根(製造業衰退)は、アメリカ側にある。」著者
マックス・ホーランド を読む事をオススメする。
日本の製造業が世界一になったのは、産業スパイは情報をぬすんだり、
国に頼んで金を巻き上げたり、などと言うことでは、出来なかったのだ。
真面目で実直な技術者が長い年月をかけ技術を磨きあげた結果なのだ。
今回のニュースを見て、感慨深いものがあった。  


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2012年03月21日

モノづくり日本復活

本日の記事で、レノボがパソコンの生産を中国から日本に持ってくるという事だ。
一つは日本ブランドの優位性と、日本製は、やはり不良率は低いという事らしい。
他に考えられるのは人件費の高騰もあげられるのかも知れない、中国で作るメリットが少ないらしい。
しかし、本当の日本にモノづくりは戻ってくるのだろうか、確かに日本のモノづくるは世界一の
水準にある事は、間違いない。しかし、多くの熟練技術者を海外進出の為にリストラした大企業も
多い。たといその熟練技術者が戻って来てくれても、
その間若い技術者を育てなかったツケがこなければよいが、目先の利益の為に人材育成を怠たった
ツケがこなければ良いが。
正社員にせず、使い捨てに慣らされた若者が、どこまで日本のモノづくりの継承者になってくれるのか、
ご都合主義の経営者達との和解が出来るのか、難しい問題が山積みだ。
大企業は、中国、韓国から留学生を取ってグローバル化などとのたまうだろうが、
中小企業も、そのマネをするのかねぇ。  


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2012年03月19日

勝ち続けるビジネス

アップルが強い、ファーストリテーリングが強い。
どちらもビジネスモデルの勝利と言われる。確かに、どちらも魅力的で良いビジネスだと思う。
これからは、これらに追随する企業が出てくるだろう。
チャンピオンには必ず挑戦者がいるものだ。追うものと追われるものだと追われるものが苦しい。
肥大化した組織の隅々まで目が届かないからだ。
今強い企業が通って来た道は皆そうだ。
前のチャンピオンの組織が老朽化して、末端の情報が経営層の上がらない隙間に出し抜いて
チャンピオンになる。ビジネスモデルは前チャンピオンの弱点だ。
サムスンなどもそうだろう。ソニーやパナソニックがもたついている弱点をクリヤーしてきた。
それよりなにより、ソニーもパナソニックもチャンピオンの時期が長すぎた感もある。
そうなると組織も緩む。
どんな企業もそうだが、チャンピオンになりしばらくは良い。
すべてが上手くまわる。しかし、問題はその後だ。
インセンティブのパイの大きさに限界が見えた時、守りに入る人達が出てくる。
その人達は、部下が優秀なら優秀なほど、け落とそうとする。
自分の組織での地位を守ろうとするからだ、そんな時、松下幸之助のようなカリスマが目を
光らせていれば、良いのだが、居なくなったら、その時がピンチだ。
ソニーも盛田さんが生きていた時までだし、パナソニックも幸之助までだろう。
さて、ジョブズ以後のアップルは、どうだろうか。私は思いのほか脆い気がするが・・・  


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2012年03月12日

中小企業の底力

昨日は3.11なので、どのテレビも震災関連の番組だったのだが、
その中で感心した番組が2つあった。
一つは、震災で工場と奥さんを失った金型屋さんの話だった。
普通なら定年退職をしている年代の、その社長は、社員の為にに全員を解雇した。
それは、失業保険が貰えるからだった、奥さんも失い銀行に融資を断られ絶望的な状況の中。
その会社の多くの仲間企業達が、機械の無償提供や工場の無償提供を申し出て、
仕事が再開出来た事、そして国の支援金も決まり新工場と新機械が購入出来、
この四月から解雇した全従業員を再雇用するという話。
これは、嬉しくなった、人情紙風船とか、自己責任とか薄っぺらな話は多い中、
日本の中小企業は、お互い助け合いながら生きて行けるという事を証明した事と、
この社長が持っている40年の熟練の技術が、次の世代に受け継がれるという事だ。
もう一つは、世界一細い絹糸で織った織物をヨーロッパに売りに行く若者の話だ、
日本にしかない技術、40年間染色一筋の人や、40年以上織りもの一筋の女工さん
の技術にこだわりを持ち、彼は売り込みに行った。
それを世界最高水準の目利き達が、賞賛するのだ。
これらを見ていると、日本の中小企業の底力は、机上で評価している学者や評論家の
言っている事は眉唾だと本当に思う。
頑張れ中小企業、明日の日本は中小企業が担う。  


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2012年02月09日

日本型経営の強さ

日本型経営の強さは、「使われる人」も主役になるからである。
80年代日本商品の競争力の強さに、時のレーガン大統領が、その秘密を研究させた。
その時、彼らが驚いたのは、現場の作業員達がQCサークルで自分達の商品の品質向上に
一生懸命になっている姿だった。
彼らや彼女らは、そこで主役の座を与えられ、責任と権限が与えられている。
そして経営者からもパートナーとして扱われ、改善活動の成果発表会は、時にはコンクールの形をとり
多くの人の前で表彰された。
これには、アメリカの経営者は驚いた。
アメリカでは、作業員はマニュアルを渡され、その通りに働く事を要望され、それ以上の事を行おうと
すると越権行為として処罰される。
そういう意味で、アメリカ型経営と日本型経営は、その人種の性格の違いがある。
別の言い方をすれば、アメリカ型経営は、軍隊型とも言える。
日本型の経営のルーツは、商家の商人道だ。つまり韓国、中国はアメリが型経営を目指している。
彼らの社員は、大方軍隊経験があり、組織の考え方も解っている。
日本では、自衛隊で何年か体験でもしない限り、そのような組織の中のは適応が難しいのだ。
勿論日本にもアメリカ型経営をしている所もあるし、それに対応している国際人?もいる。
ただ、多くの一般の日本人に合うのは日本型経営ではないだろうか。
MBAやM&Aを振りかざす経営は、アメリカ型の経営である事をしっかり理解して置かないと、
どっちつかずの滅茶苦茶な事になりかねない。
中小企業の経営者は、しっかり勉強しないとね。  


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2012年02月08日

グローバル化の落とし穴

TPPやFTAなど貿易の自由化の推進が叫ばれている。
その中で、賛成・反対はあるのだが、基本的にはグローバル化と呼ばれる米国化は避けられない。
たといTPPに入らないまでも、日本政府に圧力をかけてグローバル化という米国化を
押し付けてくるだろう。
だから我々庶民としては、身を守る術を考えなければならないだろう。
多分一番試金石としては、韓国を見れば解る。非常に経済は順調だろう。
そして、強いもの(大企業の経営者、マネージャー)には、良い国なのだが、
労働者の半分以上を占める非正規労働者は、食べる事すらおぼつかない。
もっと悲惨なのは、女性の単身世帯や老人や子供の置かれている環境保護は最低限で、
人口当たりの自殺率は世界一。
つまり、勝ち組・負け組が見事に二分する社会になる。
草食系男子などと言っている若者には辛い時代になっていきそうだ。
そんな時に日本の救いになるのは、中小企業の頑張りだろう。
中小企業は、外国資本に牛耳られない限りに於いては、しっかりしたモラルの経営が出来る。
とてつもなく高い給料ではないにしろ、一生をかけて手に職をつけ真面目に働けば、
家族を養える、という未来が開ける。
まともな大企業もあるけど、外国資本の「ものいう株主」に脅されて短期利益を出さなければ
ならない企業は、リストラをして、人件費の安い海外へドンドンシフトしていく。
その海外に出ていく企業に、しがみついて行くためには、小学生に英語を教えようとしている。
日本語も満足に理解していない子供に・・・。
本当にグローバル化に対応したいのなら、ちゃんとした道徳を教え、
日本人の特性、勤勉・正直・思いやりのあるサービス製品を世界に問う事こそ一番だと思う。
世界中の大きな市場に大量に品物を売って、外貨を稼ぐと言いながら、
その実、株主や金融機関のみの為に稼ぐ事は、最後は息が切れるはずだ。
  


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2012年02月01日

普通の労働者は没落するのか

最近TPPの話題の続きで、このままでは若い世代はどうなるのだろうかという話になった。
世界同時不況と言われるが、それは一時期の問題では無く、永遠にそうなるというのだ。
アメリカに端を発した金融危機は、日本では、余りお目にかからないほど貪欲な金の亡者の
経営者の厚顔な態度には驚かされた。
彼らは、真面目な商いをやらず一攫千金を目指し、紙くずの様な債権を高値で売りさばいた。
しかも、それで会社が潰れそうのなったら、国の税金で補填してもらい、給与もボーナスも平気で
貰っている。
その間に多くの失業者が出ても、我関せずといった姿だ。
これらの企業や経営者を退場させない限り、普通の労働者は、うかばれない。
では、その様な企業を見分けるには、どうだろう。
日本がまともだった時代、新入社員の給料と社長の給料の差は、中小企業で10倍大企業で20倍
とされた。その頃、アメリカでも40倍ぐらいまでだった。
しかし、どうだろうアメリカの潰れそうになった銀行の社長は、数百倍から数千倍の給与を取る。
多くの普通の労働者をリストラ(首切り)した影で・・・
こんな企業ばかりになれば、普通の労働者が定年まで働けば、老後は保険で生きられる。
などとしたモデルは、夢物語だ。伝統的な日本の経営者は社員を路頭に迷わそうとは
思わないものだ。まだ日本には、まともな会社は多い。
質実剛健、拝金主義でない日本企業には、増えて貰いたいものだ。
でも、日産やソニーは社長の給料高いなぁ!!!
そう言えば、両方とも日本企業では無かった。気の毒に・・・  


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2012年01月31日

タコ社長

寅さん映画に出てくる中小企業の社長を太宰 久雄さんが演じていた。
このタコ社長は、やたら元気があるが、いつも資金ぐりで苦しんでいて、大騒ぎ。
そのくせ人情家で頼まれれば、嫌と言えない性格、助平でお人好し。
まあ、そんな所だろうか。いつも寅さんと絡んで、取っ組み合いの喧嘩をしたり、
寅さん映画に全て出ているバイプレイヤー。
きっとこんな社長じゃぁ大きなビルを立てて大企業になならないだろうけど、安月給でも社員は
笑顔で働く。
昔は中小企業の社長といえば、こんなのだった。三丁目の夕日に出てくる修理工場の親父さんも
似たようなキャラクターだ。
最近では、有能な経営者と言えば、スティーブジョブズやビルゲイツなどを言うが、
さて社員として働くとしたら、どんな人の下が良いのだろうか、
私なら頼まれてもスティーブジョブズは嫌だ。命令されて品質をあげる努力をしたくない。
タコ社長に泣きつかれれば、文句は言いながらも、「わしがやらねば誰がやる」気分になるだろう。
余り優秀なリーダーは、息が詰まる。
勿論、才能のある人は違う意見だろうが。
20年前、日本は有史以来どの国も成し得なかった。一億皆中流社会を実現した。
それは、本田宗一郎、松下幸之助、盛田 昭夫、井深大といった大経営者がいたが、
本当に無数のタコ社長がいたから、成し得た事だろうと思う。
少なくとも、背が高くスマートで高学歴で、MBAを持った経営者ではなく。
ハゲでデブでチビで、たたき上げで人情家で、お節介で・・・そんなレトロな親父が
存在意義のあった時代。 この年で解るのは自分はスティーブジョブズにはなれそうもないが
タコ社長ならなれるかも知れないという事。日本人の多くはそんな気がするが。
  


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2012年01月30日

正札販売

昔から、何となく見ていた言葉だが、最近その意味を知った。
「現金掛け値無し。」というのが、その意味だというのだ。
なぁ~んだ、という人も多かろうが、実はこれが現代でも出来て居ない。
元々初めたのが、三越の前身の三井の越後屋呉服店が江戸時代に始めたもので、
それまで、価格というのは、交渉で決まるので長い時間を掛け相手の腹をさぐり合い、掛け値ををして
ツケで買うのが一般的だったのを、現金で無駄な時間を掛けない様に、交渉無しにする事で、
安くて良いものを早く、渡せたので、とても繁盛した。
それを見ていた他の商人もそれに続きたという事だ。
そういう仕事のやり方が日本の中では定着し、商人のモラルも向上して行ったのだ。
ところが、最近はデフレが続いたせいもあるのか解らないが、
一流企業でも値切ったうえに値切り倒す。相手が赤字だろうが気にもしない。
そんな商売が、はびこっている。
どんな業界でも、ちゃんとした企業では適正価格というものをもっている。
ただ高い安いではないのだが、それがわからん企業が市場を荒らす。
実際に技術革新などで、大幅に価格が変わる事もあるのだが、そうでない所まで
便乗値上げ、値下げがあるものだ。
この適正価格が解り、正札販売が出来れば、プロの経営者なのだが・・  


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2012年01月25日

製造業を甘く見るなよ

テレビなどに出てくる経済学者の大先生は、日本は人件費が高いので
製造業は人件費が安い海外で作らせて、国内はサービス業が良いとのたまっている。
では今のアメリカはどうだろうか、製造業が続々廃業するなか、仕事が無い人で溢れている。
サービス業でそれを全て吸収するほどの仕事が無い。
製造業は裾野が広い、一つの完成品の為に原料から材料、部品と組立など多くの仕事が派生する。
それを他の仕事で埋めるのは至難の技だ。
それと、サービス業ほど適性が必要なものは無い。製造業に適性は無いとは言わないが、真面目に
じっくりとやれば必ず成果が出るのは製造業だ。
無責任な理論上の話に振り回されずに、真面目な製造業が生き延びなければ日本には、明日は無い。
アメリカや韓国はそれを示している。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 16:45Comments(0)中小企業