2016年02月09日

死んだ男が残したものは

死んだ男が残したものは、という歌がある。
作詞は谷川俊太郎だ。
その1番は、死んだ男の残したものは
        ひとりの妻と ひとりの子ども
        他には何も残さなかった
        墓石ひとつ残さなかった
そんな歌だ。
私の友人が亡くなった。今年の正月だ。
奥さんと3人の子供そして1人の孫に囲まれて。
1年前余命1ヶ月と言われた、そして1年頑張って燃え尽きた。
早すぎると思った。
学生時代の事、一緒にしたヤンチャの事、まだ多くに事を話したかった。
しかし、あっという間の1年だった。
その彼の口癖が、平凡に生きる事は大変だ。
普通に生きる事は、とても難しいだ。
そんな事だった。
彼は素晴らしいアスリート、色々なスポーツでその能力を発揮し、
しかも絶対音感の持ち主。
そんな彼の口癖が、平凡に生きる事だった。
確かに今思う。
平凡に生き満足に死んでいく。
多くの男が、父親がそれを続けて来た。
大したものも残さないという言われ方をしながら、
女房、子供に愚痴られながら。
しかし、彼の生き様に多くの男の生きざまを見た。
我が父も、文句一つ言わず息を引き取った。
男はこう死ぬのだという風に。
そしてお前もこうするのだ、という後ろ姿を見せながら。
今度は、そっちで会おう、そして無限の時間を使って馬鹿な話をしよう。
少しの間、さようなら。



Posted by 昔のシステムエンジニア at 12:19│Comments(0)日記
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