2010年10月04日

現代の楢山節考

25年以上前なのだが、楢山節考という映画があった。
主演は亡くなった緒形拳で、私の好きな役者だった。
それもすごかったが、これまた女優の坂本スミコさんが役作りのために
歯を全部抜いてしまった事などが有名になった。
ストーリーは昔の貧しい山村で、70歳になった年寄りを子供が姥捨て山に
捨てに行く物語で、緒形拳扮する息子が捨てた母親に「おっかぁ」「おっかぁ」と声を
かけるのが印象的だった。
その時は、若かったし昔の山村ではそんな事もあったろうが、すこしリアルにしすぎていると
思っていた。
最近、機会があってストーリーなどを見直してみたら、全く別の感慨があった。
現代は山にこそ捨てに行かないが、葬式も出さず部屋に放置して
年金を貰う人達が出てきたり、それこそ骨をリュックサックにいれて持ってあるいたり。
そして、それを批判する人達も、老人病院という現代の姥捨て山に入れるだけ
という。
私などもその中の一人で、他の事が出来るとは思えないのだが、
「おっかぁ」「おっかぁ」という腹の底から搾り出す声を掛けられない、
現代の自分達が失ったもは何だったのだろう。



Posted by 昔のシステムエンジニア at 09:22│Comments(2)日記
この記事へのコメント
若い頃に観ましたが衝撃的なものでしたね。現代も背景も形態こそ変われ、同様なことが起きているという、なんとも考えさせられます。
Posted by kobayashi at 2010年10月04日 13:50
老老介護など、高齢化社会の問題が現実味をおびた年代になりました。
Posted by おじさん学生おじさん学生 at 2010年10月04日 16:52
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
現代の楢山節考
    コメント(2)