2011年07月12日

職人の遺伝子

モノづくりについて一言。
工場などで人と話すと「職人」なんで、という言葉をよく聞く。
この「職人」という言葉には、様々な響きがある。
宵越しの銭を持たない江戸ッ子の気分、気分が乗らなければ必死で仕事をしない人間。
やり始めたら馬鹿と言われても続ける風土、金計算がまるで駄目、そんな感じを受ける。
しかし、子供の頃から鮮やかな手つきから品物が出てくる、そんな光景を見るのが好きで、
何時間でも眺めていた。
おかげで中学、高校時代は大工の棟梁や職人の親方にリクルートもされた。
そんな訳で、嫌いではないのだけれど、なまじっか大学なんぞに行ったので、
職人にはならなかった。
しかし、気質はまるっきし職人気質で、いまだに金儲けは下手くそでいる。
これは平均的日本人には言える気はするのだが・・・
その額に汗して働く人、モノを作り出す人に敬意を表してしてきたのが日本の文化だと思う。
大工さんや庭師さんがくれば、お茶を出し、3時にはお茶菓子を出す。
一服の時間を気分良く過ごせる様にするのは、日本的な美風と思う。
しかし、最近は金を出したんだからやるのは当然。
ちょっとでもミスでもしようものならクレーム、そんな余裕の無い人たちも増えて来ている。
ただ言葉を操り、書類や契約で金を稼ぐ事が賢くて、額に汗して働く事を
蔑むような気風は、将来の日本のためにならないのではないだろうか。
職人のどこが悪いのだろうか、この国の屋台骨をささえてきたのは、
文学者や評論家ではないはずだ、一人一人の職人の工夫がそうしたのだ。



Posted by 昔のシステムエンジニア at 09:39│Comments(0)日記
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