2009年09月15日

犬の思い出

子供の頃、うちでは犬を飼っていた。
体が大きく賢い犬だったと記憶している。
私が小学校に入る前から飼っていたので、私のことを飼い主(ボス)
とみているより、保護する対象としてみていたフシがある。
母のいう事は良く聞くが、私には命令服従というより、おとなしく頭を撫でさせる、
といった風情で、「かまってやるよ」という感じだった。
小学生の低学年のある時、家に帰る途中、近所の飼い犬に突然吼えられて、
転んで怪我をした。その犬は性格が悪く、強そうな大人だと静かにしているが、
弱そうな子供を見ると、突然大声で吠え立てて、子供達を脅かしている、
たまたま通りかかった私が餌食になった訳だ。
腹をたてた私は、家に居る飼い犬にくさりをつけて、散歩するフリをして、
その飼い犬にけしかけた。それは、一瞬でおわった。
うちの犬は、静かにうなり声をあげて近づくと相手の犬は尻尾を丸めて、
悲鳴の様な泣き声で叫んでいた。
そしてうちの犬がガブっと噛み付くと、その犬は腰を抜かし、震えていた。
もういいだろうと、鎖を引くと、こんなもんだろうってな感じで、うちの犬は離れた。
あとは、意気揚々と帰ってきた。
この脅かした犬は、二度と子供達に吼える事がなくなった。
うちの犬は、ふだんノッタリと昼寝ばかりしていたが、
その時は、俊敏な狼の様なうごきだった。
そういえば、夜などは、よく遠吠えをしていた。
雑種だったけど、狼お血がはいっていたのだろう。
その犬は、私が中学生のときに亡くなったが、とても堂々としていて、
「命ってやつは、最後はこういうもんだ。」と言って居るような最後だった。
勿論、悲しかったのだが、それ以上に教えさとされた気がしたものだ。
最近は、特に犬は飼う気がしない。
犬が嫌いな訳ではない。つい触りたくなる。
しかし、彼らは間違い無く私より先に死ぬ。
それも辛いし、なにより、あの犬より賢い犬には会えそうも無い気がする。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 13:14Comments(0)日記