2010年04月26日

古典に親しむ

古典と言っても、経営学の古典というべきで、フォードがその会社
特に大企業を作る事の社会的な意味を書いているものを読んでみた。
フォードと言えば、大量生産の生みの親という事で、流れ作業を考えて、
人間を機械の様に使ったという批判を受けたのだが、読んでみると、
当時は大失業時代で、仕事より人間が多い時代らしかった。
そして、生産性を上げるのと同時に、最低賃金を2ドルから5ドルにあげた
それは、労働者の賃金をあげ、その人達がフォードの車を買える様な社会を考えての
事なのだ。
つまり、良い物を安く、それに貢献した労働者にはそれらを買うことの出来る賃金を、
という考えなのだ。
まるで松下幸之助の水道哲学を見ているようだ。
そして、その様に社会を豊かにしようとする企業は、当然の事として原価格が下がっていくと。
売価も下がる、そうして利益を民衆に返すのが当然であるという。
そうでなくて、利益を独占しようとする企業は滅びるという。
マイクロソフトの経営者はこの本知ってるのかなぁ。・・だから敵が多いのかなぁ
そして、金融業者と革命活動家が問題だという。
金融業者は、企業を育てる金融をする範囲に於いて正当であるが、
自分が金儲けに走ったら、社会生活を破綻させる方向に動くからだ。
そして、革命活動家は、経済の問題を政府と軍人が解決しようとしているからだ。
と言っている。経済の問題は、民衆の支持こそが、真実であり、
金融は付加価値を生んでいない事から来ている。
まるでサブプライム問題のアメリカと今の日本の現状を言い当てている様だ。
この本が出版されたのは、1926年今から85年ほど前になる。
ただただ納得、先人はすごい。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 13:53Comments(0)日記