2012年04月28日

会計士とコンサルタント

わたしはコンサルタントの端くれだが、時たま困る会計士と出くわす。
勿論友人には良質の会計士もいるのだが、仕事の場で出会う会計士はライバルだと向こうが
勘違いするのには困ったものだ。
一例を上げると、ある小さな居酒屋チェーン点のコンサルテーションをしていた時、
3店舗のうちの1店舗が、どうしても黒字にならない。現地に行き社長と話ながら出した結論は、
黒字化できない店舗という事だった。
店舗を改装した際に設計に失敗、お客の居るのに狭く、しかも通路狭い。
細長い店舗なので、お客がオーダーしようにも、声が届かない。1時間位ほっとかれる客がでてしまう。
つまりサービスがものすごく悪いので、入口付近のお客以外は、腹をたてて帰ってしまう。
そんな状況だった。その店舗をまた改装してサービスを行き届かそうにも
費用が掛かる割にリターンが見込めない。
わたしは、その店店舗をたたんで、ほかの場所にサービスの行き届く店を開く事をすすめた。
良いことに、他の2店舗は黒字だ、まだ力があるうちに別店舗を開くべきだと、
社長に言ったのだった。社長はその店舗の設計をした当事者なので、悔しそうだが、
渋々納得した。私は「見切り千両」サービスノウハウを持っている企業なので、
ちゃんとした店舗であれば、すぐ黒字化出来ると説明した。
翌月、コンサルティングで訪れて驚いた。閉めたはずの店舗を社長自ら開いていた。
聞いたら、会計を見てもらっている公認会計士の先生に相談したら、黒字でないにしろ
毎日日銭を稼いでいる店舗なので閉める必要はない。店舗は続けながら、次店舗を
探せとと言われたというのだ。そしてその社長がその方が良いと判断したというのだ。
わたしはガッカリした。確かに目先の金はそうだろう。しかし、赤字を垂れ流している店を
続ける事が、現在黒字の2店舗の足をひっぱり続け、ついには資産を食いつぶし、
投資余力をなくす。しかも、社長は、赤字から脱せないと結論が出ている店から一日中
外にでられない。大局的には自殺行為だと思った。しかし、社長が決めた事なので、
仕方ない。その月でコンサルタントを辞して、そことのかかわり合いはなくなった。
2年後その赤字の店舗の前を通ったが、店はなかった。数日後、黒字だった店舗の片方の
店の前を通ったら、閉めていた。(看板は残っていたが)
心配になって知り合いに聞いたら、いまは1店舗だという。
つい先日、その残った1店舗の前を通ったがやっていなかった。HPを探したが、
HPも見当たらない。どうなったのだろうか・・・
私も会計の数字は大事にする。数字は冷静で正しい。だから現状把握は数字なのだ。
しかし、経営で数字は大事だが、経営全般からは一部なのだ。
経営はチャンスの流れだ。行くべきと思った時行かなければ、チャンスは直ぐ逃げてしまう。
それは明日どんなピンチがくるか解らないからだ。
そして企業は人の気持ちだ。従業員が気持ちよう仕事をして、お客様を喜ばせれば、
必ず黒字になる。先ほどの会社は社長が直接見ている店だけfが赤字なのだ。
しかし、会社としては、それが理由で黒字の店の給料も抑えている。
従業員に不満が出初めていたのだ。そんな状況をしらず現場に足を運ばず、指示をした
会計士の大先生は余程千里眼だったのかも知れない。
経営者も、自分を正当化してくれる人の方がいいのだから、その意に沿ったのかも知れない。
しかし、潰れなくいい会社が、このように潰れるとき、いつも会計士さんが出てくる。
あなたの意見と反対の意見の公認会計士先生がいるので・・・
まったく、会計士さんは私にとって天敵なのかと思う時もある。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 15:22Comments(0)日記