2014年05月21日

ブラック企業論2

前回は教育から、その理由を探ったが、
教育に時間が取れないのは、一つは人心の問題がある。
これは古くて新しい問題だ。
例えば、多くの金をかけて育たたつもりでも、
本人が辞めてしまえば、それっきりだ。
中には、お客までとって行ってしまう業種がある。
IT業界には良くある話だが、ある理容室のマスターと話したら、
技術を教えて客まで取られるんじゃ損だから、
給与も教育料として貰いたいくらいだし、
いわんや福利厚生などとんでもないと言っていた。
この人の場合は極端だが、中小零細企業の経営者は
こんな感じのひとがいる。
はっきり言えば徒弟制度の雰囲気だ。
ワタミの渡邊さんも、会社は自分が独立するための足場と言っていたので、
その辺をつかれたのだろう。
彼は将来経営者になろうとしている人に語りかけていて、
一生ぬるいサラリーマンでいようという人が居ることを許さないのだろう。
いずれにせよ、基本が性悪説なのだ。
人間は目を離すと、技術を盗み、お金を盗み、客を盗む。
という考え方なのだ。
しかし、元々の日本は、そんな考え方をしていなかった。
多くの経営者が性善説なのだ。
松下幸之助の逸話にこんな事があった。
社員200人の頃、素行が悪い社員がいた。
幸之助は大いに悩んだ。
しかし、結論は、ほかの企業なら5%、100人で5人つまり200人で10人
素行が悪い人間がいる。
うちの会社は、ほかの会社より10倍いい人材がいるという事だ。
それこそが大事だと思う事にしたというのだ。
信じてこそ、信じてもらえるのだろう。
なかなか出来ないが・・・

  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 10:00Comments(0)経済