2014年05月22日

ブラック企業論3(終論)

昨日NHKで富岡製糸場の事をやっていたが、
この工場はブラックどころか、
多くの女工さんが最高の技術を目指して技術を修練したいたという。
一等工女になると3倍近い給与が貰えて皆から尊敬される。
作業時間は毎日8時間、日曜は休み。夏冬10日間の休日があったという。
それこそ明治の初年の話である。
女工哀史は、その後の世界的不況の中で当時のブラック企業が行った訳である。
そして現代なのだが、15年に及ぶデフレの中、
実は日本だけが勝手に大不況になっていて、その中で頭角をあらわしたのが、
グローバル企業の優等生として、極端までに人権費を抑え、
利益の極大を目指した企業が成功した訳である。
そういう事が出来ずに、社員と待遇を極端に落とせず、リストラも出来ない企業は、
グローバル企業との競争に負け、倒産したり、乗っ取られたり、
大赤字をもらったり、という目にあったのだ。
つまり、ここ15年20年で急激に伸びてきた企業の多くはブラックの匂いがプンプンするのだ。
企業とは環境適応業、生き残るために色々な手立てをする事が否定できない。
しかし、日本社会の本来のパワーを引き出すのは、富岡製糸場で女工さんが
一等女工を目指し創意工夫をして行ける社会こそが、良い社会だと思うのだ。
今でいうと、男性でも女性でも普通の努力で家族を養い、一生勤めていられる。
それがいいと思うのだ。
アベノミクスは、金融政策をちゃんとやってスタートしたのに、
経済政策がオカシイ、グローバル企業を優遇しながら、給与を上げろと言っている。
今の日本企業は、この狭間で苦しんでいるのだ。
片足でブラック企業的、片足でホワイト企業も目指し、
結局、グローバル企業と競争しないで済む分野の企業になるしかないようである。
日本国内のまともな相手へのビジネス。
それこそが、まともな経営が出来る企業の様だ。
大学院でMBAの教授が、「君はガラパゴス化に誘導するのかね。」と言っていたが、
株主資本主義が行き過ぎて、経済植民地を作る経済になるならば、
ガラパゴス化経済、大いに結構。
日本国内で、イグアナごっこでもしていたほうが、経済奴隷を作るよりマシな気がするが
極論かしらん。 おわり。
  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 10:38Comments(0)経済