2011年01月29日

機能体と共同体

人間の組織には、機能体と共同体の二つの組織がある。
機能体は、目的の為に集まった組織、例えば軍隊や警察、企業や役所も
その中に入る。
共同体というのは、家族や親戚の集まり、趣味や楽しみの為の集まりをいう。
企業や役所がダメになっていくときは、この機能体であるべき組織が共同体化していく
時である。しかし、機能体だけの組織は息苦しい。
だから、機能体で優秀な人間が共同体のなかでは、落ちこぼれである事も珍しくない。
例えば、定年退職のその日に奥さんに離婚届を突きつけられる人は、
優秀な企業人の可能性が高い。
反対に、役所の中でお手盛りの規則をつくった、自分と仲間の幸せを追求する人は、
家庭では、良き人の可能性は高い。
しかし、納税者からみたら、敵だ。
この双方のバランスが良いリーダーは稀有の存在になる。
中小企業が大きくなれないのは、このバランスが取れないためで、
機能体で優秀な人が経営者となると、部下から嫌われ、
共同体的なリーダーは会社をつぶす。
大企業は、機能体向けのリーダーを選ぶし、さもなければ株主が許さない。
今の中小企業経営者の苦しみは、このバランスが取れるかという事なのだ。
だから、大企業の経営者より中小企業の経営者のほうが魅力的なのは、
当然の事といえるのだろう。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 13:22Comments(0)中小企業