2013年05月08日

教育の目的

仕事の関係で色々な教育論などの本を読むのだが、多くの場合テクニックになっている。
こういう風に話せば、この様に生徒は反応する。
こうすれば喜ぶ、これは楽しく、これは苦しい。
先日、あるベテランの女性教師に話を聞いたが、彼女は非常に活力に満ち元気が良い。
そして、新入社員教育に燃えていた。
今年はどういう風に育てるか楽しみだといっていた。
まあ、それはそれで結構な事だと思うのだが、
10年以上に渡って新入社員研修を続けて来た身としては、
そう簡単な気分になれない。
これから社会の荒海に出ていく若者に、何を頼りに自分を組み立てていくか、
それこそ、この機会を逃したら、後の勉強は自分で金を出して、
仕事の合間の時間を使わなければ出来ない勉強ばかりだ。
その基礎を教え切らねば、この生徒達は苦労するだろう事が見えるからだ。
せめて知識でなく、考え方を教えてやりたいと思う。
教育の目的は「考えろ」だ。間違っても「覚えろ」ではない。
自分の力で考えて判断する事こそ仕事の楽しさだ。
勿論、基本や安全にかかわる事は体で覚える事も大切だ。
しかし、幸せな人生を送って貰うには人生の主役が自分である事、
それを認識して貰いたいと思う。ある高名な教育者が言っていた。
彼は中学生のブラスバンド部員を全国大会レベルに育てた実績があった。
挨拶と掃除だけは教えるが後はリーダーも練習スケジュールも自分達で決めさせている。
決して口出しをしない。
すると子供たちがみるみる成長し、目的をもって判断する様になる。
そんな事だった。そんな教育が出来たらと思うのだが、まだまだ先は長い。
  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 10:09Comments(0)教育