2013年08月26日

モノづくりの原点

最近、堀越二郎さんの本を読んだ。
かれは勿論あのゼロ戦を作ったひとである。彼が天才である事は疑いはない。
少なくとも当時の日本は、航空機を作る技術において欧米と比べて何年も遅れていた。
貧乏な日本政府が大枚をはたいてドイツから技術を買っていた時代だ。
そんな時、堀越二郎を初め20歳代の若者達がよってたかって、あのゼロ戦をつくった。
この原点というものは何だろう。決して勝つためだけで考えたのではなかっただろう。
飛行機が大好きで、三度の飯より飛行機の仕事をしたかったからだろう。
そのグループに集まった若者達は、皆寝食を忘れて飛行機作りに没頭したという。
そのエネルギーが何十年も遅れを取っていた日本の技術を一気にあげたのだ。
同じ事が、戦艦大和にも言える。本当に寝食を忘れるほどに没頭してこそ、あのような傑作。
あえて作品というべきだとう。道具としては美しすぎる。
それは、人を切る道具だった日本刀が美術品の域になっている事と似ている。
古来人間がモノを作るというのは、やむにやまれぬ人間としての自然の喜びであったのだ。
だから人間は道具を持ち進化をとげた。勿論、戦争によってその技術はより高度化したが、
日本人は、その島国であり江戸時代など太平な時代が長く続き、すべての道具に美的なセンスを
要望してきたのだとう。だから、つい美しいものを追及したのだ。
他方他国は、常に民族の生き残りをかけて殺し合いばかりをしてきた、だからこそ
強いもの恐ろしいものを考えてきたのだろう。
だから日本人は美しく人間が生きる役に立つモノづくりで世界のリーダーとして
君臨すべきだと思っている。
人を殺すためのモノづくりが決してリーダーになってはいけない。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 12:48Comments(0)日記