2010年01月25日

決め事

民族学の本で見たのだけれど、つい最近まで日本の田舎での決め事
というのは、時間をかけた様だ。
つい最近といっての昭和10年代の関西地方の田舎なのだが、村での寄り合い
があると、各地区の代表が正装して集まって、話し合いをする。
しかし、今の様に議長が議事をどんどん進行という風でなく、
世間話をしながら情報交換をして、その中で話し合いたい事を、はさむ、
しかし、相手から特に答えを求めず、世間話風に話す。
聞いた相手も、世間話の中に、自分の考えを少し語り、またすぐ他の世間話に移る。
たくさんの情報交換(世間話)をしながら、全員に意見が一致して来るのを
ひたすら待つ。
食事時になれば、弁当を食べたり、村長が食事をだしたり、
夜になれば、近い人は家に帰り、遠い人は泊まったりで、
全員に意見が合うのを待つ、それも無理強いはせず、世間話をしながら待つ。
村長が、様子を見ながら頃合いと判断した時、決を言い特に異論が無ければ、
そこで決定し、解散となる。
普通の場合で、1~2日、長い時では1週間に及ぶという。
それらは、少なくとも何百年の繰り返されて来たのだろう。
日本人のDNAにもしっかり記録されているのなのかもしれない。
そんな目で、政治や社会を見ると違ってみえるかも、
欧米型の会議では見えない結論もあるのかも知れない。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 10:21Comments(0)日記