2013年12月12日

戦前の日本

最近やっとわかったのが、ある人々との話題が噛み合わない理由だ。
基本的には民主主義が良い事で意見は一致しているのだが、
彼らの話の中には戦前の日本はとんでもなく悪い国であって、
戦後少しはまともな国になったのだと言う。
なんとなく聞き流していたがどこか引っかかる。
明治以後の日本は富国強兵政策で、庶民の生活を顧みず
一部の金持ちが労働者を死ぬまでこき使い、
奴隷扱いする暗黒の国家だというのだ。
確か学校では、ああ野麦峠とか蟹工船とかが推薦図書になっていて、
弱い人間を散々虐げて資本家は財を増やしていたというのだ。
ほとんどすべてがそんな人間ばかりで軍国主義の国だったという。
子供の頃は、素直にとんでもない事だと信じたものだ。
しかし、私は末っ子なので親は大正一桁生まれ、父は戦争に2度も参加して
命を拾って帰ってきた。伯父たちもそうだ。
その人たちの昔話を聞くと、職人の手当は案外良くて、休みになれば
映画館に行ったりカフェでお茶したり、結構自由恋愛もあった。
親方は雇い人を家に住まわせ、夜間の学校に行かせたり、習い事をさせたり、
若い女工さんには、嫁入り修行や貯金をさせたり、最後には親代わりで結婚の
仲人や嫁入り道具をしつらえたり、つまり家族的な関わりであって、
西洋的なプランテーションで働く奴隷の様な環境では無かったという。
長野にいる友人を訪ねた時に、お母さんは工場で女工をしていたというが、
暮らしぶりは良く、収入はお父さんより良くて終生かかあ天下だったという。
彼女は自分の技術を誇りにし、会社には終生大事にされたという。
野麦峠や蟹工船がすべてデタラメだとは言わないが、
そんな経営者は本当に一部で、多くの人格者としての名主や町名主が経営者に
なっているケースも多く、それにしたって人が集まったのだ。
それこそ今の様に、会社が都合が悪くなるとリストラや陰険ないじめをする事は
かえって少ない様な気さえするのだ。
そうゆう本当の日本人が持つマトモさを3.11の時の、東北の人達や
原発の暴走をすんでのとこで止めた多くの名も無きプロフェッショナル達が
連想させてくれているのではないだろうか。
それこそ日本精神であり、誇って良い事だと思うのだ。
  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 15:24Comments(0)日記