2011年12月08日

寡黙な父親

「男はつらいよ」の映画を見ていると、昔の名優が出てくる。
どの人も珠玉の名優なのだが、あっという発見もある。
それは、宮口精二 だ。
吉永さゆり扮する歌子の父親役で、寡黙で不器用な日本の父親を演じている。
背中で演技が出来る役者だ。
小さくて曲がった背中に人生の重さを背負って、机に向かっている。
娘に声を掛けたくても、その術が無く淡々と仕事を続けている。
我々の時代の日本のお父さんは、皆そうだった。
料理をしたり、掃除をしたり、そんな事がまるで出来ない。
年頃の娘と話す事もままならない。
そんな雰囲気を見事に演じきっている。もう亡くなって四半世紀
映画の中の彼は、日本の父親の悲しさを今も演じている。
  


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2011年12月07日

言葉大切ぞ

昔知り合いの神主さんが良く言っていた。
言葉というのは、事(こと)の端(はし)から出ている、つまり、言葉になった時から実現している。
という事らしい。
聖書にも「はじめに言葉ありき」とある。
ある歴史者を読んでいたら、日本の教育水準の高さというのは、支配階級と被支配階級が
同じ言葉を使っていたからと言うのだ。
江戸時代に階級がある程度固定されても、能や歌舞伎などを通じて、謡(うた)として
一般庶民に伝えられた。
だから言葉の壁が無く、志があれば学問が出来たというのだ。
欧州の階級社会では、上層階級と下層階級だと、全く言葉が違うらしい。
だから映画ファンならご存知の「マイフェアレディ」で、言語学者の先生が下層階級の
女の子の言葉を変えてレディにしようとしたんだ。
日本では、そんな事ないもんなぁ。将軍の母親になった庶民の娘もいたし、
国によって違うもんだ。
そう考えると、ビートルズというのは、僕らが思っている以上の英雄かもしれない。
あのイギリスで庶民の言葉で歌ったのだから。  


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2011年12月06日

気がこもる

昔の人が言うのに名人上手が作った物には、気がこもるという。
左甚五郎が彫ったネズミが動き出したとか、名人が書いた絵から雀が飛び出したとか。
現実にはありえない話だけれど、それほど気が入った作品である事は間違いなかったろう。
我々でも気が入った物は解る。
農家にしても、余りこの近くでは感じないが、長野県など旅行でいくと、畑の土が黒々として
きれいに整地しているのを見ると、ここで育つ野菜は元気だろうなと思う。
近くに育っている野菜を見てもオーラがあるように見える。
機械や道具でもそうだ、鉄道ファンの気持ちが解るのは、鉄道という人の命を預かる鉄道員達の
緊張感が鉄道そのものに伝わっているかれではないかと思っている。
真剣に本気で人間が向き合った物には気がこもるものだ。
中国の新幹線事故や中国が作ったインドネシアの吊り橋が落ちた事故をみて思うのが、
日本人は、真剣なモノづくりを続けないと、あんな事が日本で起きるのでは
ないかという悪夢を見る。
目先のコストでは無い本当のモノづくりの文化が残っていって貰いたいものである。  


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2011年12月05日

情けない

情けない、というと自虐的な響きがある。
自分が無力であるという意味だろう。しかし、元は情けが無いという事だろう。
「旅は道連れ世は情け」という諺があるとおり、いくら正しいと信じて居ても
独りよがりほど寂しいものはない。
最近ビジネスの世界で特に感じるのは、情けが無いという事だろう。
当然の事ながら、すべてを情けで行えばグズグズになってしまう。
だから理詰めで行う必要がある所は多々ある。
しかし、相手が人間である事を無視してはならなと思う。
MBAなどの欧米型の教育では、冷静な判断を妨げないために、現場の作業員の人達と
親しくしてはならないという。
彼らはコストであるから、高kれれば海外の安い労働力と交代させなければいけないという。
コスト競争に勝つのは、それが有効な方法だという。
円高で日本企業が海外に出るのは当然という。
マスコミも含めてそういう論調なのだが、国内で家族を養いながら生活している人達には、
どうしろというのだ。
企業は経営者・株主だけのものでは無い。そこに働く人、地域社会、そして協力会社
顧客のためのものだ、それを無視して全て数字で解決しようとする事自体
情けないという事だろう。数字だけの判断であるなら子供でもできる。
最も純粋なこどもなら疑問をもつだろうが。
  


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2011年12月03日

起業家求む

日本の経済の事を考えると暗然たる思いがする。
大学を卒業しても半分しか就職出来ないとすれば、その若い力をみすみす無駄にするのは、
なんと言ってももったいない。
彼らの、みずみずしい感性で第2のホンダやSONYが出てきて貰いたいものだと思う。
しかし、それ以上の切実なのは、60才以上で働く必要がある人達だ。
今の世の中、年金を当てにするのは野暮というもの、80才くらいまで自力で働き続ける
気持ちが大事だと思う。
定年を迎えた人が起業をして、そこに若い人達が採用されて、仕事を覚えに行く。
こんな組み合わせがなんとか出来ないものかと、日夜考えるのだが、
良いヒントがあれば、皆さん教えて下さい。  


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2011年12月02日

貴重な教訓

年末も押し迫り、今年も1ヶ月を切ってしまった。
アメリカと欧州の不況の影響で中国もGDPが下がるという。
日本国内も3.11以降電力不足も手伝って、景気のいい話は余り聞けない。
多くの国民が、どこか鬱々と過ごしている事だろう。
ご多分に漏れず私自身も鬱々とした気分の中にある。
そんな時、3.11の時に流された映像、黒い津波が車を飲み込みながら、街を
飲み込む映像が脳裏に浮かぶ。
テレビを通じて何度も見せられたからだろうが、あれで亡くなった人々を思うと心が痛む。
しかし、残された家族はそれを乗り越えようと一生懸命に生きているのだ、
我々無傷で残された者にとっては、尚更のの問題だ。
目の前の小さな問題で鬱々しているのではなく、亡くなった方々が身をもって示してくれた貴重な
現実を、決して無駄にすべくものでなく、残された我々の知恵と責任として
役立たさね申し訳が無いではないか、そんな事を教えられた一年だった。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 13:00Comments(0)日記

2011年12月01日

サイバー攻撃

コンピューターや通信の技術が複雑化してくると、それを利用しての諜報戦が盛んになる。
元々コンピュター技術自体が国家機密になっていたのだが、オープン化を迎えた事で、
誰でも才能さえあれば通信技術を通じて第一線にでてこれる。
前々から中国は国をあげて、この情報戦略に力を入れていたが、ほんの数年前までは
笑ってしまうほどの技術だったので、世界では知ってても知らぬふりをしていた。
しかし、若い世代が育って来ると今や世界のサイバー攻撃の主流は中国によって行われる様になった。
個人的にIT系の中国人と話をしていたら、彼は日本の銀行のガードの甘さを驚いていた。
中国だったら、とうに倒産している。中国の銀行がキャッシュカードを作った時、
ほんの数日で残高以上の引き落としがあり、慌てて銀行が取引停止にしたという。
キャッシュカードが普通に使えて要る日本を見ていると、防御の仕方を指導したくなると、真顔で言っていた。
私自身、銀行のセキュリティの担当をしていた事があるので、
日本の銀行は中国の銀行と比べ物にならないほどガードが厳しいといって置いたが、彼は納得していなかった。
確かに10年前だったらそうかもしれないが、日進月歩、分進秒歩の現在では、それも過去の話だと
考え込んでしまった。
日本もサイバー攻撃に国をあげて(お金を掛けて)守らないと、民間の企業努力位では、
もう限界かもしれない。  


Posted by 昔のシステムエンジニア at 10:11Comments(0)日記